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・   アラビアの夜の種族

アラビアの夜の種族 (角川文庫)

古川日出男著
第55回日本推理作家協会賞、第23回日本SF大賞受賞作

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舞台は聖遷暦1213年、エジプトの首府カイロ。
偽りの平穏に満ちたカイロに近代的戦法と最新式の火器を備えたナポレオン艦隊が迫り来る。
カイロを収める知事の一人、イスマーイールの腹心アイユーブはナポレオン艦隊に対抗する手段はないと早くから悟り、読んだものを虜にし、狂気に導いてしまうという奇書『災厄の書』をナポレオンに献上し、撤退してもらうという秘策を講じる。

『災厄の書』はアイユーブが考えた架空の書であり、本書は編纂される『災厄の書』の内容をメインに進められる。

その内容は大人向けのイスラム的ファンタジーとでも形容するべきか、妖術使い、蛇女神、偶像崇拝の邪教といった奇々怪々な登場人物と醜怪の王子アーダム、アルビノのファラー、盗人育ちの王子サフィアーンと言った、魅力的な物語の主人公で構成され、その内容はまさに奇書にふさわしく、読むものを惹きつける。

初期の古川作品にありがちな情景描写のくどさは否めないが、そのくどさを緩和する独特な言葉のテンポがあり、物語の奇怪さも手伝って、飽きることなく最後まで読み進められることと思う。

そしてまた、本書自体が架空の物語の翻訳版という設定をとっており、「架空の書の作成を記した架空の本の翻訳版」というややこしさにも古川日出男的ニヒリズムが伺える。

私が本書を読んで面白く感じるのは、上記の構成や内容は当然ながら、「見て楽しむ」部分を意識していると思える部分だ。
漢字そのものの意味はわかり、言葉の意味も概ねわかるのだが読み方が分からないという言葉や、当て字が本書では頻繁に使われている。
これらの言葉は読者に読まれることをそもそも望んでいないのではないだろうか。

例えば『暴夜』と言う言葉は、知っている人ならば読めるだろうが、知らない人には正確に読むことは難しいと思う。
しかし、文脈と漢字の字面で情景は分かる。
このような言葉にあえてルビはふられていない。
つまり本書では、言葉が読まれることにより咀嚼されることよりも、その言葉の形、使われている漢字により、直接的に情景を喚起させようとしていると感じられるのだ。

内容の質の高さは各賞を受賞していることからもわかるが、その中に架空の物語の翻訳版という作者らしい趣向を交え、
かつ、「見て楽しむ」と言う新しいことへの挑戦も行う。
本としての根底はしかっりと確保しつつ、新しいことに挑む。
これが古川日出男のニクイところだ。

秋の夜長に読むには、少しボリュームがあるが、季節を跨いで読むだけの価値はあると思う。
是非とも一読いただきたい。

ラベル:

2007/11/16 |  0 件のコメント -----

・   CROCS


CROCSのマンモス。
子供に買ってあげたんですが、なんかかわいくて自分用にも購入。
これが結構、履き心地がいいんです!

冬は玄関に出ている靴が「ブーツのみ」なんてことが多いのですが、ちょっと近所に買い物行くのに、いちいち靴紐結ぶのも面倒だし、そんな時にコイツが重宝してます。

ラベル:

2007/11/11 |  2 件のコメント -----